☆本日の紹介本☆
たましいの場所 早川義夫 1700円+税
まだまだ、読んでいない本はたくさんあっても、
数え切れないくらい、何度も読んでしまう本はないですか?
私にとって、一番、たくさん読んだ本がコレ。
若いお嬢さんには、ご存知の方は少ないかもしれませんが・・・・
早川義夫氏は、「日本のロック」の創世記を代表するジャックスのボーカル。
彼は、独自の音楽センスで、唯一無比の音楽世界を築いたものの、
繊細で純粋すぎる性格ゆえ、音楽の現場を長く、離れることとなる。
その彼が、23年の沈黙を破って、再び歌いだす。
歌いだした彼の、本当の気持ちや、その背景。
彼の持つ心の、大事なもの。
そんなものが、飾らない、シンプルなスタイルで語られるエッセイ。
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◆「なぜ、歌を作るのだろう。なぜ、歌を歌うのだろう。
言いたいことが言えて、やりたいことがやれて、吐き出せていれば、
歌は作る必要はない。
語っても語っても言いそびれてしまうことや、
心の底にくすぶっているものが歌になって生まれてくるのだと思う。
本当のこと、言ってはいけないこと、言わなければよかったと思うようなこと、
いや、やはりきちんと伝えておかなければならないことが、歌われるべきことなのだと思う。」
◆「いい音はやさしい。そして、激しい。甘ったるくない。あったかい。渇いていない。
元気が出てくる。いい音は、どんなに音量が大きくてもうるさく聴こえない。
音量が小さくてもちゃんと聴こえてくる」
◆「いい音はなつかしい。どこかで聞いたことがあるような気がする。
それは、絵でも文章でもそうだ。
ステキなヒトに出会った時もそうだ。
しかし、どこかで聴いたのではない。
どこかで見たのでも、触れたのでもない。かつてどこかで会ったのでもない。
会いたかった人なのだ。
求めていたものなのだ。
表したかったものなのだ。
ずぅっと心の中にしまってあったものなのだ。」
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自分が、どうしていいか、立ち止まってしまうことがある。
そんなときに、この本を読む。
色々な欲や見栄や、世間体・・・・。
無意識のうちに、しょうもないことにまどさわれていたことに気づく。
本当のことだけをつかんだ、早川さんの言葉に、
私は、いつもはっとさせられる。
そして、読み終わるころには、いつも、自分の大切なものだけが、
心に残っている。
こんな本は、めったにありません。
・・・・
なんだかえらそうな感じの文章ですみません。
約7年前?に書いていた文章。
なんとなく消してしまうのも寂しかったので、
ここに記録してみました。