カテゴリ:山本じん( 5 )

なにをみているのか?

「なにをみているのか、なにをみようとしているのか、そのまなざしが大切。」

2012年の12月 大阪で美術家 山本じんさんの個展がありました。

そのときのトークイベントで、若手の作家にひとことメッセージを、と言われてじんさんがおっしゃった言葉です。

人形作家の人は、高級なグラスアイにこだわるけれど、そういう問題ではなく、その”まなざし”がよいなら、その目は石ころだってかまわないんだ、とおっしゃったのです。

その言葉は、人形を作っていない私にも、非常に響きました。

”乙女屋はなにをみているんだろう?”

”なにをみようとしているのだろう?”

ずっとずっと、自分に問い続けています。

また、別の機会に、じんさんがおっしゃいました。

「それはもう、一生懸命一生懸命にやることだね。」

「一生懸命、一生懸命に、自分が可愛いと思うものを信じて、作り続ける。
その可愛いと思うものが、みんな違う。
それでいい。

(少し間をおいて)

一生懸命、一生懸命に、すごく気持ち悪い物を作ろうと思う・・・・

(少し間をおいて)

うん、たぶん、それもいいんだと思う」



一生懸命、一生懸命に、何を見たくて、続けているんだろう?

ここ数年、本当に素敵な人に出会う機会が続いた。
本当に素晴らしい方ばかりだった。
今もご縁があるかたもいれば、もう会えないかもしれない人もいる。
それでも、ずっと出会ってきたすべての人と共有した時間が今の私を作っている。

そして、私は、何をみたいと思うだろう?

月日が過ぎるごとに、ますますあの言葉の深さに気が付きます。






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by otomeya | 2017-06-27 00:17 | 山本じん

「Pray」

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(山本じん 作 「Pray」部分  銀筆・羊皮紙・2004年 )

マルジナリア 山本じん で展示している作品の紹介記事を書きました。

http://otomeyablog.blog.fc2.com/blog-entry-1080.html


客観的に、初めて知る人にもわかりやすく、をテーマに、
文章を考えています。

salonにいらしていただくと、
絵の前で、その人が惹かれる場所はそれぞれ異なり、
絵の解釈も違う発見が見つかることも多々あります。

絵に惹かれるものがある人が感じることをお伺いすることは、
とても楽しいです。

私は、絵を売るためのトークをしません。
絵に惹かれてくれた人が、何を感じるのか、
どこに惹かれるのか、そのことをお伺いできるのがとても嬉しい。

この絵と暮らしてみたい、
この絵が自分に必要だ、ということは、
お客様自身にしか聞こえない、その人の心の奥に潜む声だからです。


この絵なんだ!とすぐにわかることもあれば、
この絵が好きだけれど、何かに躊躇して、すぐに踏み出せないこともあります。
そのどちらも、私自身が経験しました。

絵画のコレクターの方だとすぐにわかるのかもしれませんが、
私自身はコレクターと呼べるほどではありません。
けれども、いつしか、少しばかり自慢できるコレクションになりつつあると思います。

美術関係の環境になじみがあったこともなければ、
税金対策でもない、一般人です。
ですが、いつしか、自分の心に響く絵のある空間の心地よさのとりこになっていました。

乙女屋が、salonとshopに分かれて、まだ数か月ですが、
絵の魅力を伝えることを工夫する日々は、
本当に喜びを感じます。

本日紹介した「Pray」は、お客様とお話していて、
この絵の魅力を話しているたびに、ほぼ80%、泣いてしまいます。
何故?
生きること、の厳しい現実と、いつか必ず訪れる恩恵の日への希望が
ここに描かれているように感じるからです。

この男性の足元に咲く花に、男性が気が付いてくれる日が
早く訪れてほしい、・・・

この男性に重ねあわせて、すべての人が、
その人の足元に咲く花に気が付いて、
恩恵を受け取れる日が訪れてくれることを、祈る気持ちが生まれます。




■関連記事■
「絵を手に入れるとは?」










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by otomeya | 2016-02-16 00:53 | 山本じん

気配

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「マルジナリア 山本じん」の展示は、私に、大きな気持ちの変化を起こしました。
その変化を自分でも、まだ理解できないでいます。

展示を継続している作品たちと一緒に時間を過ごしながら、
日常に戻る中で、今日、ふと、伝えたいと思ったのは、ちょっとした発見。


2008年に山本じん氏の作品に岡山アートガーデンの個展で衝撃を受けました。
そのときからずっと、どのように伝えたら、
あの魅力を伝えられるのだろうかと、いつも頭の隅のほうにありました。

今回の展示の期間に、きっとなにかをつかみたい、
そう思っていたにも関わらず、
やっぱり適切な言葉は、なかなか浮かばない。

展示に来てくださったお客様とその話をしたところ、
「山本じんさんの作品は、作品からはみでたものがある。
作品から漂っている、言葉にならない気配のようなものが何よりの魅力で、
それを言葉にしようとするから、なかなかまとまらないのではないかしら?」

という考えてくれました。

なんと素晴らしいお答え!
あまりに的確で、感動しました。
まさに、その通りだと思います。


乙女屋が扱うものが、どんどん変化を続けています。
お人形も古物も、絵画もお洋服も・・・
いろんなものが好きですが、
それらの共通点は、「気配」の感じられるもの、と言えるかもしれません。

なにか、ふと立ち止まらずにはいられないもの。
どうしても、触れてみたくなるようなもの。
いつまでも忘れられないもの。

その理由をうまく説明できないけれど、
どうしても、何かが引っかかる、惹きつけられる。

そういう出会いは、なかなか少ないのですが、
とても大切なものとつながっているような気がします。


そういう出会いの場所になれたらいいなと、思います。








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by otomeya | 2016-01-29 01:15 | 山本じん

山本じん

こみねゆらさんの個展の時、
個展のために何ができるだろうって、思いつく限りのことを考えました。
いままで、私以上に長くゆらさんのファンの方がたくさんなので、
改めてプロフィールを紹介したことがないことに気がつき、
何かのきっかけで初めて知ってくださる方にわかりやすくしよう、
と思いました。

それをきっかけに、他の作家さんについても、
ちゃんと初めての人にもわかりやすく伝えたいと思いました。

改めてちゃんと経歴を読み返し、乙女屋なりの解釈で伝える箇所を選び、
言葉を選ぶには、たくさんのことを理解し、整理する必要があると改めて痛感。

いままで、本当に好き!!!!のパワーだけでつっきてきたなぁ。
みんな、よくついてきてくれたなぁと、
自分の未熟さに情けなく、皆様の優しさに感謝を深めました。

キミコさんにこと、ヨイマチのこともまとめたいけど、
wikipediaにデータのあったじんさんから手をつけることに。

まだ途中。
少しずつ 進めます。


「大切なのは 眼差し。
何を見ているのか、何を見ようとしているのか。
それがいいものならば、高級なガラスの目玉より、
石ころの目玉で構わない」

曖昧な記憶からの引用なので、語彙に違いはありそうです。
2012年 乙女屋とアラビク共同開催のトークイベントで、
後出の人形作家に一言、という質問の答えでした。


いろんなことに目を向けすぎ、選ぶ覚悟ができなかった数年を経て、
いま、ー改めてあのときのじんさんの言葉を思い出します。


山本じん (美術家)

1950年1月25日岡山県生まれ。高校卒業後に美容師免許を取得し、20代で上京、美容師・舞台などのヘアメイクに従事する。 1975年、独学で芸術を学び、油彩、版画、素描、球体関節人形を制作し始める。 1980年銀座永井画廊にて初個展。 以後、東京を中心に、渋谷・美蕾樹(ミラージュ)や銀座・青木画廊などのギャラリー、東京都現代美術館などでの個展・グループ展・イベント等に参加。 (wikipedia より)



続き 編集中。。。








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by otomeya | 2015-02-19 01:12 | 山本じん

至極の美の個展から

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「ああ、そう、思い出した。


本当の恍惚のためには

痛みがともなわなければならない。」


*

山本じん氏の個展に行きました。

以前から、雑誌の記事や、ポストカードなどで、
作品を拝見して、いいなぁ。。。。。と思っていたので
個展を見に行くことができるのは初めてで
とても楽しみでした。


個展会場は、広々としたシャープな空間です。
3つのお部屋に分かれていて、
吹き抜けのメインフロアと、カフェ併設の小さなギャラリー、
映画作品のお部屋になっています。

メインフロアには大作がたくさん並んでいました。
小さな美術館みたいなギャラリーに
言葉を失うほどに美しい作品たちが並んでいて、
いや、今、書いていて思ったのだけど、
たぶん、あのギャラリーが、小さな美術館みたいに見えたのは、
きっと、山本氏の作品が見せた高貴さのせいかもしれない、
なんて思うほどに、作品の放つ世界の凄み!


今までも二次出版物と小さなオブジェは見たことがありました。
それで、山本じん氏のことを知っているつもりでいました。

が、それが、なんと愚かな認識であったのか、と
ものすごい衝撃を受けました。


初めてルーブル美術館にいったとき、
印刷物でおなじみだった絵画を本当にみたとき、
やっぱりホンモノは違うんだ!
と思いました。
それは、印刷でうつる、うつらないではないのです。
絵自身がもつ強さ、凄み、そして、何かを放つ力!
それが、もう、圧倒的に違う。


プロの文筆家が何万語の言葉を費やしても
本当のことは伝わらないように、
大事なことこそ、何かを通してしまえば写らない、
伝わらない繊細さがあるのです。
山本氏の作品は、その種の、生の作品でしか伝えることの出来ない
繊細すぎるまでの魅力と感性を秘めた作品なのです。


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好きな世界観だとか、
自分の中に通じるものを具現化してくれているから、
というのは、作品を見るときの醍醐味ですが、
山本氏の作品世界は、そんなレベルで図れるものではない。


でも、そうだ。
印刷で伝わってしまうものなら、
印刷で十分。

そうじゃないから、
だからこそ、大枚をはたいてでも、その作品がほしくなるのだから!


表面をこするようにして、傷つけることで描く銀筆画の繊細さ
漆黒の闇が心地よく、細密なのに静謐な鉛筆画

それらでもまだ完成しきれないものを
そして、氏にとってさえ曖昧なのではないかと思われる
もっともっと奥底の魂を
具現化するためのような、オブジェや人形作品。


作品のどれもこれもが、ひとつひとつに奥深く、
何度見ても、様々な想いがめぐりめぐる。
こんなにも美しいモノたちを
なぜ、私は今まで知らなかったのか、
そして、なぜ、いつまでも見ていられないのか

3時間ほど居ても、まだ去りたくなくて
文章を書いている今も、美しいあの作品たちが
あの会場で放っている世界について、思いを馳せることをやめられません。




あまりにも美しすぎるものを前にすると、
不思議とリアルな、情けない自分を自覚します。
だけど、そのことによって、自分の目指す道筋と
やるべきこと、成し遂げたい想いも自覚することができ
生きていこう、と思います。


今の私では、まだそこにたどり着くにはあまりに遠くて、
その過程で、様々な痛みを伴うこともわかっています。


でも、そこに行かずして、どこに行くというのでしょう。


それに、もう、繰り返し、
何度自分に言い聞かせたことかわからないけれど、
カンタンに手に入るもの、
カンタンに成し遂げてしまえることなど
何の意味があるのでしょう。


痛みを伴ってまでも得たいもの。


それこそが本当に自分にとって一番必要なものであり、
自分にとって一番必要なものこそが
世界で一番、美しいものだと、信じています。


*

長々となってしまいましたが、
山本じん氏のすばらしい作品たちがまとまってみることが出来る
この貴重な個展、本当におすすめです。

これほどまでのクオリティ高い展覧会はめったにありません。
遠方からでも行ったほうがいいです!



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*山本 じん 氏のアトリエ一部*
季刊 手の間に掲載されている山本氏のページ。

雑誌ではもっと美しい全体の様子や山本氏のほかの作品をご覧いただけます。

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◆個展 『Passion』 開催のお知らせ

岡山県岡山市のギャラリー、アートガーデンにて、個展を開催します。

1996年より2008年までの鉛筆画、銀筆画、人形、油絵、エッチング、木彫作品、
更に最新作絵画(未発表)など約40作品を出品する、集大成的個展となります。

山本じん展『Passion』
2008年10月23日(木)-11月8日(土)
岡山・アートガーデン
岡山市富町1-8-6 Tel&Fax 086-254-5559
営業時間: 11:00-18:00(最終日は午後3:00)
定休日: 火曜日

*山本じん氏 オフィシャルサイト
http://www.geocities.jp/phoenix_treasure/
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by otomeya | 2008-10-30 14:29 | 山本じん