「頭は使わなければさびつきます。
人間も磨かなければ曇ります。
若い頃美男だった人が三十になるとふつうの男になり、
四十すぎると見られなくなるのは、みんな自分のせいです。
時間のせいではありません。
本来ならば、人間は老人になればなるほど美しくなっていいはずです。
また実際にそういう例もたくさんあります。
英国人の中でも殊にいいのは老紳士、と昔から相場がきまっていますが、
つらつら思えば偶然そうなったのではないようです」
・・・・・本日も、蔵書整理に出している白洲正子氏のお言葉でした。
「私はすべての若い方達に目にみえるものでも、
あるいは目にみえないものでも、たった一つでよろしい、
どんなに小さくとも自分の一生をかけて守り通す大切なものを
おもちになることを切におすすめします。
考えただけではいけません。
そのためになら何ものをも捨てるほどの覚悟とそれから勇気をもって、
ただそれのみをみて突進なさい。
(同書 の 創造の意味の章より)