まだ冷たい空気の、春を待つこの季節がとても好きで、
朝起きてお天気がいいと、
普段、日差しを避けて閉じている部屋の窓をすべてあける。
吹き抜ける風の冷たさに背筋を伸ばし、
そうだ、進んでいこう、と元気を貰う。
長い間、誰かに必要とされるのを待っていた、一輪の薔薇・・・・・。
たとえば、これが生の花ならば、
誰に必要とされなくても、日差しと、風と、に恵まれて、
そっと、咲き誇り、儚く散っていくだろうか・・・・。
人の手によって作られた薔薇は、
自分で朽ちていくのは、長い時間が必要で、
誰かが手にしてくれるまで、黙って。。。。黙って待ち続ける・・・・
愛されることも、散ることもできない布の花・・・
そんな想いが、きっと誰しも心の奥に、あるのではないかと、思ったりする。
そんな想いとリンクして、
おそらく、私は布の花に魅せられつづけ、
誰かに愛されたドレスのレースの端切れに、
あくない憧れを抱き続け、
そして、乙女屋を必死で守ろうとしている。
ふと、時々、愛されることも、散ることもできない想いを聞くことがあり、
私にできることが、なにかないかと想う。
そういう思いで、イベントをしたり、なにかをしてみたことが何度もある。
けれども、結局、救うことなんてできなかった。
そして、その無力さを、あの人に語ったら、
そりゃそうだ。誰かを、他者が救うことなどできるわけがない。
貴方にできることは、美しいものを、見極める目を磨きなさい。
貴方なりに・・・美しくて、魂にぐっとくるものを、見極める目を・・・・
と、言ってくれたのでした。
私にもし、できることがあるとしたら、
それだけは・・・
何にもならないかもしれないけれど、
できることをすべてして、
私なりに、美しいと想うものを、見極める目を磨き続けるための努力だけは、
続けていけそうな気がする・・・・
救いを求めるならば、もっと、力のあるひとのところへ。
優しさを持った人のところへ・・・・
私はそんなに強くないし、無力だし、優しくもない。
偽善の優しさや、その場のための嘘の媚など売りたくない。
一瞬であれどもなにかで、心が共鳴する瞬間。
誰かが、自分にとっての本当のものを見つけるために
必要とされるのではないかという品々を、
それが嘘であってはいけない。
本当のことだけを・・・
集められるように。
見極められるように。
それだけは、負けないと、いつかいえるように、今日も修行の日々です。