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あの頃へ

すこしむかしの文章を読み返す。

遠く離れてしまった あの人は、
今、元気にしているかしら?

ある日に、偶然、めぐり合い、
別れる駅で、薔薇を一輪贈りました。


あの薔薇のことを、また思い出してくれる日はあるかしら?


*


今日は、お月様の綺麗な
静かで、ひんやり冷たい夜の風がとても心地良い。


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「パリのサンジェルマン。

ユニヴァース通りにある

小さな人形屋の店先で考えました。

ぼくは、人形となら うまくやっていけそうだ」



寺山修司のこの一文は、
乙女屋を始めたばかりのころの、
私にとってとても意味のある、
世界と交わるための最後のお守りのような
そんな宝物の言葉でした。


世の中のなにもかもが怖くて、
私以外のすべてが正義で、
私だけが愚かで未熟で間違いなのだと、
思い込んで、動き出すことが怖くて
でも、とどまっていることもできなくて、
そんな日々を、私は、幻想の言葉を心の奥に隠し持つことでしか、
世の中を生きるすべを持たなかった時期なのでした。



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”お人形屋”さんになりたかった。


私のパリのサンジェルマンのお人形は、
猫がいる、小さな石造りのお店で、
地下室のある、修理を待つお人形たちもたくさんいた。


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初めて訪れたパリの、
その小さなお人形屋さんの記憶は、
今は、もうそのままはない。



いつも、なぜか、
寂しそうなお人形に惹かれてしまう。


だから、”アンティークドールコレクター”のひとと、
お話しするには知識がなさすぎて
そして、お人形を”販売”するために、
”仕入れる”こともできなくて、
そして、なによりきっと、私の好きな子は、
他の人が、忘れ去るような
そんなお人形たちばかり。


私にとって、”アンティークドール”は美術品でもなく
コレクターアイテムでもなく、
心の奥に共鳴してくれる、もっと特別な存在。


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寺山修司の世界で、
好きなものはいろいろあるけれど、
やっぱり一番、大切に思ってしまうのは、
この<人形たちの夜>である。


<少女アリス>の写真家・沢渡朔氏の
巻頭の写真も一等大好き。



こういう意味での、
”人形屋”になりたくて、
”人形遊び”屋さんなんて言ってみたりもしたけれど、
なかなか誤解を生んだような気もするし、
本当の理由は違うような気もするけれど、
今は、この言葉はちょっとフーインすることにした、
それは、ほんの少し前のことだけど。


乙女屋が、これからどんな品揃えを目指すのか、
実はほんの少し、新しく思うところもあるのですが、
ちょっと文学というか、なんというか、
こういう御本の世界観みたいなものは、
私の中で、やっぱりずぅっと心のどこかにあって、
前のように、これにすがって生きることはもうなくなっても、
やっぱり時々は、思い出したくなる世界なのではないかなぁと思います。


久々に、更新します♪
<人形たちの夜>

まだ読んだことのない方は、
ぜひ、読んでみてもらいたいなぁと思います☆
by otomeya | 2013-05-20 23:51 | 永遠少女


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