もうすぐ・・・・

e0037611_11073655.jpg
画家・人形作家 吉田キミコ (http://www.kimicoyoshida.com/) 

私は、この作家のことが、とてもとても好きです。

{好き}を越えて、尊敬、敬愛、憧れ、恋慕、感謝、共感・・・と、様々な想いが交差しています。

そのひとつひとつを、ブログで表現することは、難しい。
ずっと数年、それを言葉にしようと思いながら、できないできました。

でも、そうも言っていられない、この残された数日間。

改めて、初心に戻って{好き}という気持ちから始めます。


私が、吉田キミコの名前を知ったのは、約20年ほど前のことです。
憧れの店を訪ねて上京した時に、平屋の長閑な駅前にある喫茶店で、出会いました。
美術的な看板が美しく、ミントグリーンの重い扉、店内には使い込まれた木の質感と、テーブルには小さな花、
壁面には、静かな佇まいの絵が飾ってありました。

バナナケーキと、紅茶を頼みました。
店内に流れる静かで柔らかな空気、私がそれまで出会ったことのないものでした。

静かに感動し、この素晴らしい空間を崩さないように自分の振る舞いに過失がないよう緊張しながら、
(そう、あの店の扉を押し開ける時、いつも安心と同時にわずかに緊張したものです!)
店内の絵を眺め、ささやかに飾られたアンティークレースのハンカチ、硝子瓶をそっと見せていただき、
その目に留まったのが、たくさんの絵葉書でした。
そっと手を伸ばすと、他の店では見たことがないアーティストのものばかり。

これも素敵、あ、でも、これもいいな。
あれこれ選んでいるうちに、黒い円の真ん中に少女がいて、両サイドにうさぎがいる絵葉書に出会います。
とても、驚きました。
こんな世界が、この世界にあるなんて!
「これこそ、私が求めていた世界!私の心の中にある世界!」
不遜な思い込みですが、許してもらいたい、20年も前の私が、誇張ではなく、素直に感じた想いでした。

世界観も、少女の表情も、圧倒的に出会ったことが無いものだった。

この人の絵だけは、死ぬまでに必ず手に入れたい、と思った。
それまで絵を所有したいと思うことは一度もなかった。
絵を所有したい、というより、自分に欠けていたとても必要な何かをやっと見つけた!という感覚に近かった。

絵葉書を裏返し、作者の名前を確認した。
「吉田キミコ」とだけ、書いてあった。

心の中で繰り返した。

「吉田キミコ」

描いた人の名前が、わかった。
でも、それ以上のことを確認する余裕はなかった。
その日は、求めていた世界に出会い、それを描いた人の名前がわかり、その人のことがわかるであろう、この店を知った。
それだけで、十分すぎた。
気に入った数枚のポストカードを手にしてテーブルに戻り、お茶を飲んだ。

その日から、いろんなことが実は始まっていたのだと思う。




続きます。



e0037611_11415739.png

吉田キミコ 「記憶へのオマージュ」まであと、3日。

http://petitekiki.blog.fc2.com/blog-entry-93.html

長い間眠っていた懐かしい作品や、思い出の品々が並びます。
またとない機会です。
ぜひ、お運びください。










[PR]
by otomeya | 2017-05-20 11:42 | 吉田キミコ


<< 「記憶へのオマージュ」について。 ごきげんな日々。 >>