「なにをみているのか、なにをみようとしているのか、そのまなざしが大切。」
2012年の12月 大阪で美術家 山本じんさんの個展がありました。
そのときのトークイベントで、若手の作家にひとことメッセージを、と言われてじんさんがおっしゃった言葉です。
人形作家の人は、高級なグラスアイにこだわるけれど、そういう問題ではなく、その”まなざし”がよいなら、その目は石ころだってかまわないんだ、とおっしゃったのです。
その言葉は、人形を作っていない私にも、非常に響きました。
”乙女屋はなにをみているんだろう?”
”なにをみようとしているのだろう?”
ずっとずっと、自分に問い続けています。
また、別の機会に、じんさんがおっしゃいました。
「それはもう、一生懸命一生懸命にやることだね。」
「一生懸命、一生懸命に、自分が可愛いと思うものを信じて、作り続ける。
その可愛いと思うものが、みんな違う。
それでいい。
(少し間をおいて)
一生懸命、一生懸命に、すごく気持ち悪い物を作ろうと思う・・・・
(少し間をおいて)
うん、たぶん、それもいいんだと思う」
一生懸命、一生懸命に、何を見たくて、続けているんだろう?
ここ数年、本当に素敵な人に出会う機会が続いた。
本当に素晴らしい方ばかりだった。
今もご縁があるかたもいれば、もう会えないかもしれない人もいる。
それでも、ずっと出会ってきたすべての人と共有した時間が今の私を作っている。
そして、私は、何をみたいと思うだろう?
月日が過ぎるごとに、ますますあの言葉の深さに気が付きます。