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少しずつ

昨日は、和ばらを生み出した國枝啓司さんのことを記事にしました。
(昨日の記事→http://otomeyanet.exblog.jp/26925862/

乙女屋のことを知らない人にも読んでもらいたいなと思い、シンプルに、かつ客観的にまとめようと心がけました。

うまく伝わっているでしょうか?どうでしょうか。


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今日は、昨日より気楽に、乙女屋店主色で書こうと思います。

お客様から差し入れていただいた和ばらに魅せられて、農園へ訪れたのは昨年の初夏。

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その頃、ひとつの大きな仕事を終えて、それまでにない試みをひとつ目の前にしながら、約束の10年のことが常に頭にあるような状況でした。

「売れるからという理由で物を選ばない」(流行に流されない)、自分が本当に好きなものだけを紹介する店でありたい。

その気持ちは変わらずにあっても、目の前の数字を見る時、(それが売り上げの場合もあれば、来客数のこともある)、当たり前に不安になります。

好きなことを貫くことはできた。
そのことはとても感謝している。
けれども、それだけでは生きていけないのだろうか?
いつまでも夢を見ている場合ではないのだろうか?

希望がないわけじゃない。
だけれど、目に見える形で、大丈夫、と思えるものを何も持っていないことは事実。

先の不安ばかり思っても仕方がない。
いつまでもできるかわからないからこそ、目の前の仕事を感謝して、丁寧に行おう。
ある意味、だましだまし、今を生きているようなときに出会ったのが、和ばらでした。

農園に訪れて、啓司さんにお会いした。
啓司さんは、ずっと穏やかに微笑みながらいろんなお話をしてくれました。

農園のこと、薔薇のこと、啓司さんが愛している薔薇たちの特徴。

そして、初対面なのにも関わらず、売上のことなんかも、話してくれた。

「ついこないだもね、滋賀の薔薇フェアにうちの薔薇も呼んでもらった。
でもね、ぜんぜん、売れなかった。
大輪で色が鮮やかで立派で豪奢な薔薇がよく売れていた。

売れる薔薇が、どんなものか知っている。

でもね、僕は売れる薔薇は作らない。
僕がいいと思う薔薇しか作らない。
僕がいいと思う薔薇を、同じようにいいねと言ってくれる人が、ここに来てくれたらいいと思っている」

その時、啓司さんは私たちを見るのではなく、薔薇たちを見ながら、話していました。


その話を聞いた時の私の心、いつも乙女屋を応援してくれている人なら、わかってくれるでしょうか?


10年間、ずっとずっととにかく10年は続けようと頑張ってきた乙女屋。
これでいいのか、誰も答えを持っていないことを知っているけど、不安になる毎日。
そんなときに、出会った和ばら。
その和ばらを育てた人のこの言葉。


そうだ、そうやって、私も、自分の信じたものを信じ続けて生きていきたい。

それでいいんだよ、って神様が、和ばらと啓司さんに出会わせてくれたんだ。

そう思わずには、いられなかったんです。


豪華絢爛な薔薇の美しさは、誰がどう見ても美しいのだろうか。
だけど、美しさの種類は、それだけなければならないことはない。


啓司さんが信じ続けた美しさの表現である和ばらが、私をこんなにも励ましてくれた。
乙女屋も信じ続けることで、いつか、誰かを励ますことができるでしょうか?

現実の厳しさから逃げることはできないけれど、和ばらたちは、励ましてくれる。

大丈夫、大丈夫。
誰が何と言おうとも、あなたの選んだことが正解だよ、大丈夫だよ。

って。





うん、もうすぐ、新しい扉を、私は開きます。










by otomeya | 2018-02-05 23:31 | 日々の戯れ


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