ひとつ前の日記を自分で読み返す。
すると、また、別の箇所にひっかかる。 今度は、「合理的」という言葉。 ひとつまえの記事で引用した「合理的にモノを買って遊ぶ」という箇所。 わたしは1970年代終わりの生まれで、身の回りの物が手作りから合理的なよくできた物に変化していき、より高級なものへの欲望が煽動され、子供の遊びにゲームが浸透していく過渡期の世代に育ち、インターネットは大学時代以降に触れた。 合理化は絶対的な正義で、社会全体がなんや小さな不平を言いつつ、その道を歩んでいたんだな、と、今、俯瞰して思う。 手作りが、身の回りの当たり前だった時代が、私がいきている間にもまだあったのに、いまは"ハンドメイド"というカテゴリーになり、販売のためのイベントがビッグビジネスになり、ワイドショーで簡単に稼げる扱いで紹介され、一部で物議が起こる。 資本主義の合理化から生まれた社会現象の現れだと思う。 一度だけ、とあるその種のイベントに、良い作家との出会いがあれば、と思って出掛けた。 前向きに見つけにいきたかったが、まるでだめだった。 理由が、今になってわかる。 その種のイベントの成功法則が、あるように思った。 群がるブース、目を惹くブースがあった。 しかし、合理化に媚びているその成功は、私が作品に求めるものと真逆だった。 一方で、埋もれているブースが良いかというとそれも違う。閑散としているブースの奥で、悲壮感を漂わす作家と思われる人。同情する気持ちが先にたち、作品に目がいかない。 そこだけがステージじゃない。 生産力溢れる現代で、あえて物を作ることは、非合理の極みなんだから、中途半端じゃなく、徹底的に自分で切り開く表現活動をしたいじゃないか! 批判したいんじゃない。 というか、批判はすべて、じゃあ、自分はとうなんだ?と返ってくる。 乙女屋だって同じ。 非合理な存在な店だから、でしかできないことを見つける。 そのためにもがいてる。 だから、落ち込むな、自分。 がんばるろうよ、共感してくれたあなた。 そう思って書いた #
by otomeya
| 2019-01-20 11:53
| 2019
日曜日の朝。目が覚めたら雨。
雨の日の乙女屋って好きなので、それはそれ、まあいいか、と思う。 なんとなくけだるい日曜日、徒然にこの記事を書いてみます。 今年の初めの日記(https://otomeyanet.exblog.jp/27846894/)に、少し書きましたが、ここ数年、未来に対する不安がいつも心のどこかにある。 ただ単純に、自分が安定しない生活をしているからかな、と思うけれど、どうもそれだけではない気がする。 私が、親しく思っている人は、この世の中のどこにこんな暖かい人間味のある人がいたの!と感激することがしばしばだけれど、裏を返せば、世の中の他の場面では、冷たいな、くだらないな、と思う場面が多いということでもある。 いやなこと、くだらないことは、もういくらでもあるから、なるべく忘れる、降りかかってきたら、身軽にかわす、逃げる、という術を磨きたい。人を侮蔑して優越感に浸る時間は、私は自分の人生からなるべく排除したい。だって、自分が腐ってしまいそうだもの。 でも、なにかとにかく、不安である。 すごく幸せだった瞬間でさえ、この先、どうかわからない、と不安がすぐによぎる。 先を考えちゃダメ、あなたはとにかく考えすぎなの、そして考えるところを間違えているの、と言われる。 もっともだと思うけれど、うーーーーーーん、それだけで、どこか納得できない部分がどこかにある、 と思っていたところに、次の記事を見つけて、自分が持っていた違和感がしっかり書かれていた記事に出会った。 「渡辺京二さんのインタビュー 」 http://blog.livedoor.jp/sacredeconomics/archives/31172759.html 無駄のない質問と明快な答えに全文、衝撃的に納得するのだけれど、一部を引用します。 ――「日本に貧乏人はいるが貧困は存在しない」という外国人の言葉が強く印象に残りました。 「明治初期に東大に招かれた米国の動物学者モースの言葉ですね。彼の念頭にあったのは、19世紀末の当時、欧米の大都会でみられた労働者の打ちひしがれた表情です。すでに資本主義が始まっていました。貧困によって人間の尊厳まで否定される絶望。『人生の敗者』を思わせる不幸。そういったものが刻み込まれた貧困の表情が日本の貧乏人には見られない、と驚いたのです」 「江戸には膨大な数の貧乏人がいたんですよ。でも彼らは、それぞれ居場所をもっていた。たとえば、煙管(きせる)にヤニが詰まりますね。それを掃除する仕事が職業になる。それで食べていける。そのかわり粗末な長屋暮らしですよ。家具もほとんどない。しかし、そんな貧乏人が食事になると美しい食器を使う。その美意識にも外国人は驚いたんです。しかも親はしつけで子をたたかない。『子どもの楽園である』と」 ――では現代はどう見えますか。 「あらゆる意味づけが解体され、人が生きる意味、根拠まで見失って、ニヒリズムに直面しているのではありませんか。だから合理的に働き、合理的に稼ぎ、合理的にモノを買って遊ぶ。グルメや温泉巡り、ゲームがはやるわけです。稼いで遊び、遊ぶために稼ぐ。それが人生だと。それで済む人もいるでしょう。でも人間はいつまでもは満足できない。そのうち空しくなる」 ――若い世代にアドバイスを。 「人と人の間で何かを作り出すことですよ。自分を超えた国家の力はどうしても働いてくるんだけど、なるべくそれに左右されず、依存もしない。自分がキープできる範囲の世界で、自分の仲間と豊かで楽しい世界を作っていく。みんなで集まって芝居を作ってもいい。ささやかに食っていける会社を10人ぐらいで立ち上げてもいい。僕も熊本でずっと、仲間と文学雑誌をつくっては壊し、つくっては壊ししてきたんです」 「ただ、基礎的な社会にだけ生きて国家のことは俺は知らないよ、ということはできない。国民国家のなかに僕らは仮住まいしていて、大家には義理がありますから。だけど、それはあくまでも義理。義理は果たさねばならないが、本心は別のところに置いておきたいものです そうだなぁ。そうだよー、と思う。 なにか、生み出したいな。 #
by otomeya
| 2019-01-20 09:43
| 2019
閉店30分前。 誰もこないだろう、と思っていたのだけれど、販売がまだな作品の展示を見るために来店下さったお客様がいらした。 販売スタートの来週に、改めてきてくださるそう。 嬉しいなぁ、貴重な時間を割いてくださるお気持ちが本当にありがたい。 2月の展示の案内を送る作業を進めています。 わたしも、とても展示が楽しみ。 あともうひとがんばりします。 #
by otomeya
| 2019-01-19 17:52
| 2019
今日は予測通り閑散としているので、考えごとの続きをしている。
つまり、次に気になるのは、「いい作品て、なに?」ということだ。 あと、そもそも、「作品」てなに? 「商品」と「物」と、それは違うのか? 違うなら、どう違うのか??? 谷川俊太郎さんの詩の中に、「わたしの言葉には値段がつくことがあります」というのがあったけれど、値段がつく言葉とつかない言葉の違いは、どんな説明で理解を促せるのだろう??? そんなことを、日暮れていく空間で考えている。 「店」と「ギャラリー」の違いも、どんなものなのでしょうか。 #
by otomeya
| 2019-01-19 17:17
| 2019
「いい作品だと思う。
でも、売れにくいでしょう?」 と、言われる作品がある。 こちらから、そんな話をしないのに、あんまりにもいろんな人から同じように言われる。 それはなぜだろう? 思い出したのは、一時期、人形のグループ展でよく聞いた言葉のひとつ。 作者が自分の型をひとつ抜けた挑戦をし、周囲の評判がよかった作品だったが、売れなかった。そういう場合に、 「まあ、すこしアート寄りすぎたかしらね」という理由があげられていたこと。 もうひとつ、それも同じ頃の人形のグループ展で、世界観にこだわった展示をすると売れない、というアドバイスみたいな話をよく聞いた。作り込みすぎると、それを崩したくなくなり、そのブースを背景込みで一枚の絵のように見るから、という内容だった。 その頃、私はすでに、自分が創作人形をお金に変えるゲームみたいに考えられないことを感じ始めていたから、それらの話は参考程度にしか聞いていなかったのだけれど、どちらにも違和感があり、残ったままだ。 狭い世界なのに、だからか?一時期よく聞いたそれらの話題は、もうしばらく聞かなくなった。 私の交友関係が少なくなったからかもしれないけれど、しばらく忘れていたその話を思い出した。 が、いま、乙女屋でそのように言われる作品は、そのどちらでもないと思う。 では、なぜなんだろう? 見たことがない世界観だから、かな? 見たことがない佇まいのその"物"に、なにを感じていいのか、わかないのではないかしら? そうかなぁ、どうかなぁ。 なかなか答えに辿り着かない面白さ、大事にしたいと思っている。 #
by otomeya
| 2019-01-19 15:45
| お人形考
|
乙女屋
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